教学

こころの時代 – 日本庭園の伝えるもの – (文字起こし08)

つづき
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(解説者)
 新聞などを見ていますと
 お年寄りなどで、孤独死とあります。
 周りの人が気が付かなかった。そういう死に方を
 孤独死という言い方があります。

 昔の修行者が、山の中に入って一人で亡くなっていく方もいます。
 修行する場合に、不必要なものを捨てて、
 周りとの楽しみながら生きていく姿勢がなくなるんじゃないかと
 思いますが、

 そういう生き方と、孤独死の違いはなんでしようか。

隠遁生活ですね。
山の中に入って一人で静かに本を読み、座禅をし、
自然と共に生きていく。と
これは、日本人の理想とするところなんですね。
そういう中で、静かに息を引き取りたい。

隠遁生活の場合は、
孤独ではなく、周りの自然と全部と関係の中に生きているわけです。
生かさせていただいているわけです。

しかし、
いま社会で問題死されている孤独死は、
全部と縁を切ってしまっている。

これは「孤独死」ではなく「孤立死」ではないかと思います。
周りとの関係性がない中で亡くなっていく。
これは非常に悲しいことですね。

日本人の理想とする生き方の中で、
それを成し遂げていくのであれば、それは、私は良いと思います。

(解説者)
 自分というものを見る見方、
 すべてのものとのつながりの中で、
 生かされているんだということが、
 自覚できるかできないかで、
 周囲との縁を切ってしまうという、
 一見同じように見えても、
 非常に質的な違いがあるんですね。

 一人で楽しむ生き方も、
 ある意味では豊かな人生を過ごすこともできるのかな。と
 お話を聞かせていただきました。