教学

こころの時代 – 日本庭園の伝えるもの – (文字起こし06)

つづき
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(解説者)
 三段の滝がありますが、これはどういった構成でしょうか

これは上池の景色、下池の景色を見るところによって、常に違った景色にしようと。
そして全貌は見えません。

上池から下池へ落とすところを大きな見せ場にして
上池から見たとき、大きな滝が見えます。
人の心が開放されればとの思いです。

そうなると、滝も急斜面ではなく、
ある程度幅をとって、大らかに見せます。

落ちてくる水が、人間を心地よくさせなければならない。
そうすると、水音であるとか、落ちる姿であるとか、
それが周りの木との、どのようなバランスであるとか、
とうことを頭の中で思い描いて、

やはりここは、穏やかな気持ちでご覧になっていただきたいと思うので
水の落とし方も穏やかになるような、水の落とし方ににしよう。と

そういうことを考えていくと
だんだん空間が頭の中に描かれてくるわけですね。
それを現実のものにしていこうということです。

また、置いている石は自然なものですから、
思い描いた石の形ではないんですね。
ですから、一度、石を置き、仮の石組みをするんです
そこで具合のよい場所がきまったなら、
それに合わせて建造物ならコンクリートを流すわけです
そういった順番をとっています。

(解説者)
 いまのお話は庭の話ですけれども、
 私達が現実に直面した問題を処理するときも同じように
 諸行無常でなるようになるさではなくて、
 その事実がどのように展開するかで、
 自分が最良に思える道を選ぶわけですね。

そこには勉強も必要ですし、努力が必要なんですね。
そういったものが、血になり肉となって、どう判断でいくのか
作りての力量が求められるんですね。

同じように、今度は
見ていただくときには、見る方の力量も問うわけです。

説明を先にしちゃうとそれに執われちゃう。
ですから、感じていただけるままに、心にとどめていただくのが一番良いと思います。

(解説者)
 最初はわからなくても、経験を重ねて、
 失敗したりなどと、試して失敗してを繰り返して、
 それこそ修行なんでしょうが、それができてくると、
 瞬時に、あ、これはこうだと判断がついてくる。できるようになるわけですね。

なりますね。
ものすごく早くなります。
石でも、木でも見て迷わなくなりますね。